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沖縄に住む外国人、いちばん多いのはネパール人。なぜ?

沖縄県に住む外国人のうち、国籍別で最も多いのはネパール人です。47都道府県でネパールが1位なのは沖縄だけ。在留資格のデータと、ネパールから日本への留学の仕組みから、その理由を読み解きます。

この記事のポイント

  • 沖縄に住む外国人の約5人に1人はネパール人で、国籍別で1位。ネパールが1位なのは47都道府県で沖縄だけ
  • 沖縄のネパール人の半分以上は留学生。ネパールの日本語学校が、学費が安く留学ビザの出やすい沖縄・福岡の学校と提携して送り出している
  • 沖縄は日本での暮らしの「入り口」。日本語学校を出たあと、東京などの大都市へ移る人も多い

沖縄県に住む外国人は、2025年12月末で33,402人です。国籍別でいちばん多いのは、中国でもベトナムでもなく、ネパール。6,937人で、沖縄に住む外国人の約5人に1人(20.8%)にあたります。

全国で見ると、ネパール人は在留外国人の7.3%で、国籍別では5番目です。ネパールが国籍別で1位になっているのは、47都道府県のうち沖縄県だけです。

沖縄県に住む外国人の国籍(上位6か国)2025年12月末・人
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在留外国人
ネパール6,937人
インドネシア4,234人
中国3,338人
米国3,058人
フィリピン2,947人
ベトナム2,907人

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2025年12月末)を加工して作成

2位はインドネシア、3位は中国でした。4位の米国については、日米地位協定の対象となる米軍関係者は在留外国人統計に含まれていないため、実際に沖縄で暮らす米国人はこれより多くいます。

半分以上が「留学」

手がかりは在留資格にあります。沖縄に住むネパール人の53.6%が「留学」です。全国のネパール人(38.6%)と比べても、15ポイントほど高くなっています。

ネパール人の在留資格の内訳2025年12月末・構成比

沖縄県全国

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沖縄県全国
留学53.6%38.6%
技術・人文知識・国際業務15.8%16.2%
家族滞在12.4%24.2%
特定技能1号10.4%4.1%
永住者2.3%3.3%
技能1.3%7.9%

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」(2025年12月末)を加工して作成。沖縄県6,937人、全国300,984人に占める割合

一方で、家族と一緒に暮らす「家族滞在」は12.4%で、全国(24.2%)の半分ほどです。沖縄のネパール人は、若い単身の留学生が中心だと読み取れます。

住んでいる場所も、那覇市(4,011人)、浦添市(943人)、宜野湾市(530人)の3市で79%を占めます。学校やアルバイト先のある都市部に、留学生が集まっていると考えられます。

市町村ネパール人県内のネパール人に占める割合
那覇市4,01157.8%
浦添市94313.6%
宜野湾市5307.6%
うるま市2523.6%
恩納村1652.4%

市町村ごとに最も多い国籍を地図にすると、ネパールが1位の市町村は、那覇市・浦添市・宜野湾市など本島の都市部に集まっています。

沖縄県の市町村ごとに最も多い国籍を示したマス目の地図。那覇・浦添・宜野湾など本島の都市部はネパールが1位
沖縄県の市町村ごとに最も多い国籍(在留外国人全体、2025年12月末)。ネパールは灰色のマスに国旗で表示。在留外国人ダッシュボードの沖縄県のページより

沖縄への留学生の9割がネパール人

学校側の話からも、この偏りは裏付けられます。県内の日本語学校でつくる県日本語学校懇話会は、沖縄への留学生の9割がネパール人だと説明しています(琉球新報、2022年4月13日)。

では、なぜネパールの若者は沖縄を選ぶのでしょうか。その仕組みを、琉球大学の研究(澤宗則・南埜猛「ネパール人留学生に関するトランスナショナルな関係」『移民研究』第18号、2022年)が詳しく調べています。

決め手は「ネパールの日本語学校の提携先」

論文によると、日本への留学はおおむね次のような流れで決まります。

  1. 日本への留学を希望する人は、まずネパール国内の日本語学校で1年ほど学ぶ
  2. ネパールの日本語学校は、日本の日本語学校と提携していて、留学先の紹介から留学ビザの申請書類づくりまでを担う
  3. その提携先として多いのが、授業料が比較的安く、留学ビザが出やすい福岡や沖縄の日本語学校

留学ビザが下りる割合は、審査する入管ごとに大きく違います。ネパールの日本語学校の関係者への聞き取りでは、かつては東京が1〜2割だったのに対し、福岡・那覇は約9割だったといいます。

ネパールでは日本語学校どうしの生徒の取り合いが激しく、「ビザが取れる学校かどうか」が学校選びの大きな基準になります。そのため、ビザの出やすい地域の学校と提携する動きが広がり、留学生が沖縄や福岡に集まりました。

データもこれと合っています。在留外国人に占めるネパール人の割合は、1位の沖縄(20.8%)に続いて、2位が福岡県(17.6%)です。

ただし、ビザの出やすさは年によって大きく変わります。論文では、沖縄でネパール人の留学ビザの発給率が2016年の56%から2017年に37%へ下がった例も紹介されています。

沖縄は日本での暮らしの「入り口」

論文はもう一つ、大事な点を指摘しています。日本語学校で2年ほど学んだあと、専門学校や大学に進む時期(毎年3月)には、アルバイトの時給が高い東京などの大都市へ移るネパール人留学生が多いというのです。

沖縄のネパール人に「留学」が多く、「家族滞在」が少ないのは、沖縄が日本での暮らしの入り口になっていて、若い留学生が入れ替わりながら住んでいるためと考えられます。

コロナ明けの4年で3.7倍に

推移を見ると、この流れはここ数年で一気に強まっています。

沖縄県に住むネパール人の推移各年12月末・人
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年ネパール人
20151,815人
20161,919人
20171,882人
20182,139人
20192,797人
20202,247人
20211,885人
20223,335人
20234,426人
20245,570人
20256,937人

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」(各年12月末)を加工して作成

2019年には2,797人まで増えたあと、コロナ禍の入国制限で2021年には1,885人まで減りました。そこから入国が再開し、2025年には6,937人と、4年で3.7倍になっています。この4年間に増えた沖縄の外国人(14,867人)のうち、3分の1がネパール人です。

沖縄に残って働く人も増えている

一方で、卒業後に沖縄で働く人も増えています。沖縄のネパール人のうち、「技術・人文知識・国際業務」は1,097人、「特定技能1号」は722人です。特定技能1号は1年で57%増えました(2024年12月末は461人)。

入り口として通り過ぎる場所から、働いて暮らす場所へ。沖縄のネパール人の在留資格の内訳がこれからどう変わるかは、注目しておきたい点です。

都道府県・市区町村ごとの国籍や在留資格は、在留外国人ダッシュボードで見られます。沖縄県のページでは、市町村ごとの国籍や人数、推移も確認できます。

データについて:在留外国人数・国籍・在留資格は出入国在留管理庁「在留外国人統計」(各年12月末)。在留外国人は中長期在留者と特別永住者の合計で、日米地位協定の対象者は含みません。市町村別の数は、在留外国人が10人以下の町村で内訳が秘匿されているため、合計と一致しない場合があります。ビザの発給率と留学の仕組みは、澤宗則・南埜猛(2022)による聞き取り調査と、同論文が引用する資料に基づきます。

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