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正月の支度は、年金支給日から始まる? 12月15日に何が売れるかを家計調査の日別支出で見た

家計調査の日別支出で、12月の年金支給日と1週間前の同じ曜日を直近3年分比べました。支給日に売れるのは、米・もち・焼酎・みかん・牛肉といった正月の支度の品目と、灯油・日用品・ペット用品。毎日買う生鮮や惣菜は動きません。もちとみかんは年末にかけて徐々に上がりますが、最初の山は年金支給日の15日にできます。2026年12月15日(火)に向けて、売り場で生かすための数字をまとめました。

この記事のポイント

  • 12月の年金支給日に3年とも伸びたのは正月の支度の品目。米+98%、焼酎+37%、もち+37%、みかん+33%、牛肉+24%(1週間前の同じ曜日と比べて。2023〜2025年の3年平均)。灯油+54%、ポリ袋や栄養剤などの日用品、ペット用品も
  • 動かないのは、生鮮野菜・牛乳・卵・パン・豚肉と惣菜・弁当。ふだんの外食(和食・そば・洋食・中華)は減る。支給日の消費支出は+15%だが、食料は+9%。残りはこづかい・仕送り・車で、売り場には来ない
  • もちとみかんの支出は年末にかけて徐々に上がるが、最初の山は年金支給日の15日。もちは11円から22円、みかんは31円から52円と、前日までの2倍近くに跳ねる

2026年12月15日(火)は、今年最後の年金支給日です。年金は偶数月の15日(土日祝日なら直前の営業日)に2か月分が振り込まれ、受け取る人は3,941万人います(厚生労働省、2024年度末)。この日に何が売れるのかを、総務省「家計調査」の日別支出(二人以上の世帯)で確かめました。比べるのは、12月の年金支給日と、その1週間前の同じ曜日(ベース日)です。曜日で支出が大きく変わるので、曜日をそろえています。対象は直近3年で、次の3組です。

年年金支給日(分析日)ベース日(7日前)
2023年12月15日(金)12月8日(金)
2024年12月13日(金)※15日が日曜のため前倒し12月6日(金)
2025年12月15日(月)12月8日(月)

品目ごとの伸び率は、3年分の支出を平均してから、支給日÷ベース日で求めています。「3年とも増」は、3組すべてで支給日がベース日を上回ったものです。同じ比べ方は52週MDダッシュボード 家計調査版の「期間比較」で試せます。

支給日に売れたもの

まず、支給日当日に何が売れたのかです。食料の品目のうち、支給日当日の支出がベース日を3年とも上回ったものを、伸び率の順に並べました。

12月の年金支給日に、前の週より売れる食料の品目支給日当日の1世帯当たり支出が、7日前の同じ曜日と比べて伸びた率。2023〜2025年の平均で、3年とも増えた品目
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伸び率
米98.3%
干しのり81.9%
風味調味料59.2%
緑茶55.5%
チョコレート44.2%
焼酎36.6%
もち36.5%
喫茶代36.4%
みかん33.3%
他の塩干魚介27.4%
すし(外食)25.8%
牛肉24.2%
カップ麺23.3%
チーズ22.2%
他の主食的外食20.8%
そうざい材料セット20.1%

出典:総務省「家計調査」品目分類による日別支出(せんデータ「52週MDダッシュボード 家計調査版」で集計)

米(+98%)、焼酎(+37%)、もち(+37%)、みかん(+33%)、干物などの塩干魚介(+27%)、牛肉(+24%)と、正月の食卓に向けた備えの品が並びます。だしの素などの風味調味料(+59%)、緑茶(+56%)、チョコレート(+44%)、カップ麺(+23%)、チーズ(+22%)も、日持ちがして、まとめて買っておけるものです。外食ではすし(+26%)と喫茶代(+36%)が伸びています。

年金が入ったからといって、ごちそうを買うわけではありません。年末年始に向けて、保存のきくものを確実に買いそろえる日です。

灯油・日用品・ペット用品も、支給日に

食料以外にも、支給日に合わせて買われているものがあります。

食料以外で、12月の年金支給日に前の週より売れるもの支給日当日の1世帯当たり支出が、7日前の同じ曜日と比べて伸びた率。2023〜2025年の平均で、3年とも増えた品目。こづかい・仕送り・保険料・車など、売り場と関係のない支出は除く
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伸び率
ペット・他のペット用品258.8%
テーブル・ソファー122.2%
子供服92.4%
女性用スラックス71.4%
他の外用薬58.1%
灯油53.5%
栄養剤39.4%
他の保健用消耗品34.0%
動物病院代30.7%
ポリ袋・ラップ29.1%
ペットフード17.5%
ヘアコンディショナー16.8%

出典:総務省「家計調査」品目分類による日別支出(せんデータ「52週MDダッシュボード 家計調査版」で集計)

3年とも増えたのは、灯油(+54%)と、ポリ袋・ラップ(+29%)、栄養剤(+39%)、外用薬(+58%)、他の保健用消耗品(+34%)といったドラッグストアで買う日用品です。目を引くのはペットで、ペット用品が+259%、ペットフードが+18%、動物病院代が+31%。年金世帯がペットの買い物を支給日に合わせている様子がうかがえます。子供服(+92%)は孫向けとみられます。年賀はがきの郵便料(+18%)やガソリン(+13%)、歯磨き(+36%)も伸びていますが、増えたのは3年のうち2年です。

伸びなかったのは、毎日買うものと、ふだんの外食

一方で、支給日に動かないものもはっきりしています。

分類・品目支給日当日の伸び率
生鮮野菜+2.6%
牛乳+0.8%
卵−1.9%
パン+2.4%
豚肉−1.9%
調理食品(惣菜・弁当など)+1.9%
菓子類+3.7%
外食の和食−14.4%
日本そば・うどん−19.6%
洋食−18.4%
中華食−16.5%
アイスクリーム・シャーベット−14.9%

二人以上の世帯の1日当たり支出。支給日当日と、その7日前の同じ曜日を2023〜2025年の3年分平均して比べた。

生鮮野菜・牛乳・卵・パン・豚肉といった毎日買うものと、惣菜・弁当は、支給日でもほぼ横ばいです。ふだんの外食は和食−14%、そば・うどん−20%、洋食−18%、中華−17%と、むしろ減ります。すしと喫茶は増えるので外食全体は+8%ですが、年金で暮らす世帯が支給日にふだんの外食を増やす姿は見えません。食料以外では、保健医療が−6%(医科診療など保健医療サービスが−13%)で、支給日は病院に行かない日です。パソコンなど教養娯楽用の耐久財も−52%と、支給日には増えていません。

支出全体は+15%。ただし、売り場に来るお金はその一部

支給日当日の消費支出は1世帯8,020円で、1週間前の6,971円より+15.1%(3年とも増)。ただ、増えた約1,050円のうち食料は約240円(+8.6%)です。こづかい(+255円)、仕送り金(+62円)、自動車の購入(+120円)、保険料などの他の諸雑費(+41円)、交際費(+30円)で約500円を占め、これらは売り場とは関係のない支出です。

この食料の伸びは年金で暮らす世帯によるものです。二人以上の世帯のうち世帯主が勤めている「勤労者世帯」だけで見ると、支給日の食料は+0.4%で動きません。

12月の年金支給日の支出は、前の週の同じ曜日よりどれだけ増えるか二人以上の世帯と、そのうちの勤労者世帯。1日の支出の伸び率(2023〜2025年の平均)

二人以上の世帯うち勤労者世帯

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二人以上の世帯うち勤労者世帯
消費支出15.1%6.5%
食料8.6%0.4%

出典:総務省「家計調査」品目分類による日別支出(せんデータ「52週MDダッシュボード 家計調査版」で集計)

最初の山は、年金支給日

支給日に売れた品目の代表として、もちとみかんの1日ごとの支出を、12月の1日から31日まで3年分平均しました。年末に向けてどう上がっていくのか、支給日はその中のどこにあるのかを見ます。

もちとみかんは、12月のいつから売れ始めるか1日ごとの支出(二人以上の世帯、1世帯当たり)。2023〜2025年の3年平均。最初の山は年金支給日の15日、20日から上り坂、27日から本番

もちみかん

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12月の日もちみかん
112円37円
28円36円
310円41円
410円28円
512円31円
612円38円
715円49円
816円38円
913円42円
1014円34円
1113円32円
1211円31円
1317円42円
1416円47円
1522円52円
1618円41円
1718円38円
1822円34円
1922円36円
2033円35円
2125円40円
2226円40円
2325円37円
2426円44円
2545円46円
2647円51円
2766円66円
28103円73円
2989円88円
30130円96円
3163円72円

出典:総務省「家計調査」品目分類による日別支出(せんデータ「52週MDダッシュボード 家計調査版」で集計)

12月の上旬は、もちが10円台、みかんが30〜40円で横ばいです。年金支給日の15日に最初の山ができ、もちは11円から22円、みかんは31円から52円と、前日までの2倍近くになります(2024年は15日が日曜で支給日は13日。みかんは3年とも支給日当日に跳ね、もちは2024年だけ支給日の翌日の土日に上がった)。17日から19日はいったん戻りますが、20日からは上り坂に入り、27日からが本番です。もちは30日に130円、みかんは96円まで伸びます。

年末にかけて徐々に上がっていく正月の支度の中で、最初に跳ねる日が年金支給日です。年金で暮らす世帯にとっては、年末までに使えるお金が入る最後の日でもあります。消費支出の全体でも、13日から16日にかけて最初の山(2024年は13日が支給日)、頂点は30日の11,034円で、形は同じです。16日のほうが15日より高い日が多いのは、振り込まれたお金を下ろして買い物に出るのが翌日になる世帯が多いためとみられます。

売り場で生かすなら

  • 正月の支度は、支給日から。 米・もち・焼酎・みかん・牛肉は、年末の最終週を待たずに12月15日に跳ねる。正月のコーナーは15日までに立ち上げ、15日と翌16日を最初の山として組む
  • 大容量と保存性で勝負する。 支給日に伸びるのは米・乾物・調味料・日用品など日持ちするもの。単価を上げるより、大きなサイズを前に出す
  • 日配・惣菜の値引きは上乗せが小さい。 毎日買うものは支給日でも動かない。チラシの主役は備えの品と灯油・日用品に
  • ドラッグストアとペットのコーナー。 外用薬・栄養剤・保健用消耗品・ポリ袋と、ペット用品・ペットフードが支給日に伸びる。シニア向けの売り場を15日に合わせる
  • 売上の計画は食料の伸びで。 支給日の消費支出+15%のうち食料は+9%。半分近くは店に来ないお金

2026年の12月15日は火曜日です。2025年は月曜日でしたから、曜日の条件は近いといえます。52週MDダッシュボード 家計調査版の「期間比較」で、2025年12月の実績として確かめられます。日付を2月や4月の支給日に変えれば、季節による違いも分かります。

数字はすべて総務省「家計調査」第6-16表「品目分類による日別支出(二人以上の世帯)」の全国平均。1世帯1日当たりの名目の支出額で、物価の変化は調整していない。分析日は2023年12月15日(金)・2024年12月13日(金)・2025年12月15日(月)、ベース日はそれぞれ12月8日(金)・12月6日(金)・12月8日(月)。品目の伸び率は3年分の支出を平均してから求めた。日別の表には家賃・電気代・保険料の一部・通信料など月払いの品目が含まれないため、消費支出の額は月次の家計調査より小さい。

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